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H21/3/4更新
きび診療所での各種イベントの紹介 No.05
 

平成20年11月28日(金)に行われた
第3回 腎臓病教室 の様子をご報告します。



今回の教室は、同じ病気を考える患者さん同士の交流の場として
《腎臓の働きを知ること》
《腎臓に負担となるたんぱく質の上手な取り方を知ること》

を目的に、食事つきの腎臓病教室を行いました。
当診療所を受診されていない方にも多くご参加いただきました。


@ 腎臓の働き
A よく知られている腎臓機能の検査の説明


  

 腎臓の働きを資料やホワイトボードを使って、わかりやすく解説。
 普段検査をしているクレアチニンも「低いからと言って必ずしも腎臓が良いわけじゃない!!」といった身体の機能を知った上での検査値の見方を学習しました。

 よく知られている腎臓機能の検査(◎尿素窒素、◎クレアチニン、◎尿たんぱく)でどんなことがわかるのか?どういうときに値が上昇するのかをテレビモニターで説明しました。


【説明担当者 Iから】・・・初めての腎臓病教室を終えての感想
  きび診療所記念すべき、初めての腎臓病教室が開催されました。

  私自身も糖尿病教室に引き続いて、またまた初めての経験で、腎臓の検査についてのお話を皆さんにどのようにわかりやすく伝えたらいいのか、ギリギリまで頭を悩ませながらの教室でしたが、皆さんがとても熱心にペンをとり、聞いて下さり、「腎臓病を知って帰ろう!!」とされている熱意が伝わってきました。

  不慣れな説明にもかかわらず、私の話に耳を傾けてくださって、本当にありがとうございました。
  検査値を今後のご自身の管理に生かして頂ける事を節に願っています。


 
B 栄養と食事についてのお話し
 


  腎臓病の食事療法の基本は、
   【たんぱく制限】【塩分制限】【エネルギーの確保】の3つ。

  今回の教室では、
たんぱく質の制限について学習しました。

  腎臓病の食事療法は、成分表や交換表での計算をしなくてはならないので、自分には無理かな?と思われる方も多いと思います。
  そこで計算の方法以外で、
手のひらを使ってたんぱく質の量(主菜)を知る方法を学習しました。

   
 

<食事会で飛び交っていた食に関する話>

【質問:たんぱく制限食について 】
  ご飯を減らし、その分肉や魚のおかずを増やすことはできるのか?
 


【管理栄養士からのコメント】

  ご飯を減らした分、おかずの肉や魚を増やすことはできます。

 たとえば 単純にご飯の量を200gから120gに減らすと、
おかずからたんぱく質を6gカロリーを384kcal摂取することができます。

 
ご飯の量
たんぱく質
カロリー
朝食
200g
5g
320
昼食
200g
5g
320
夕食
200g
5g
320
 
合計
15g
960
 
ご飯の量
たんぱく質
カロリー
朝食
120g
3g
192
昼食
120g
3g
192
夕食
120g
3g
192
 
合計
9g
576
ご飯200gとの差
6g
384

  ただ単純にご飯を減らし肉や魚を増やすと、
たんぱく質は補えてもカロリーが不足してしまったり、
またカロリーを補うとたんぱく質を取りすぎてしまうこともある
ので、栄養を確認して食材を選ぶことが重要です。


たんぱく6gでの比較(目安)
肉・魚
30g
60kcal
ご飯
240g
384kcal

 必要なエネルギーをとるコツとしては、たんぱく質を含まない食品(油や砂糖など)を利用したり、治療用特殊食品などを利用して補うと良いでしょう。

※たんぱく質を含まない食品には、油、砂糖、でんぷんがあります。でんぷんを含む食品には、はるさめ、マロニー、片栗粉などがあります。



【質問:カロリーについて 】
  糖尿病では、油や砂糖はいけないと言われたが、糖尿病性腎症になった場合
油や砂糖をとっていいの?
 
【管理栄養士からのコメント】

  糖尿病では、カロリーの高い油や急激に血糖値を上げてしまう砂糖は控えるように言われていますが、糖尿病性腎症では、医師より決められたカロリーの範囲内であれば、油や砂糖をとることは大事です。

  なぜなら、糖尿病性腎症になった場合、血糖値が上がることも気にしなければいけませんが、カロリー不足にならないようにも気をつけなくてはいけないからです。

  カロリー不足になると、体内に蓄えられているたんぱく質(血液や筋肉、ホルモンなど)を消費してエネルギーを補おうとします。すると筋肉などの細胞が壊されるため、血液中に老廃物(毒素)があふれ出し、腎臓に負担をかけてしまうからです。
  ただし、カロリーの取りすぎは良くありませんよ。


血糖値が急激に上がらないような工夫をして、
食事を楽しみましょう!
 
でんぷん製品を利用する。
  油や砂糖と同じくたんぱく質を含まず、カロリーのある食品です。
春雨や片栗粉・くず粉などがあります。これらは砂糖に比べ、血糖値の上昇が緩かです。
3食均等に食べる。
    1度にたくさん食べないようにする。
食物繊維を含むもの(野菜など)と一緒に食べます。
    食物繊維で血糖値の上昇を緩やかにしてくます。またお腹がはり、食べすぎの防止になります。


【管理栄養士から一言】
 食事療法において皆さんにオススメしたいのが、食事記録を書くことです。毎日、いつ・どこで・何を食べたのかをノートへ記入していきましょう。
  書くことで、自分の現状を知ることができますので、是非、今日から始めてみてください。
  また、日々の食事のことで知りたいこと、気になることなどございましたら、いつでもご相談ください。


【第3回 腎臓病教室参加人数】
 
実 施 日
参加人数
第3回
平成20年11月28日(金)

前回に引き続き、今回もたくさんの方にご参加いただきました。
ありがとうございました。

次回は、塩分制限やエネルギーについての食事療法の教室を開催する予定です。
今後も、多くの方々の参加をお待ちしております。

きび診療所で行われる各種行事のお知らせは、これからも
きび通信、高知新聞、ホームページ等でご案内していきます。

 
 
   
 

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